先日、たこ焼きを買いに行ったときのことです。店の前で外国人(白人)のお兄さんがパイプ椅子に座ってチューハイを飲んでおられました。
そのお店は屋台ではなくて、店舗を構えたたこ焼き屋さん。店の前には2、3人が座れる程度の簡素な椅子とテーブルがあって、子供連れのお客のためか、ルービックキューブやちょっとしたパズルなど、主に子供向けの知育玩具のようなものがまばらに置いてあります。
で、僕がたこ焼きを注文しましたところ、その白人お兄さんが「ワカァ〜ラナイ……ムズカシイネェ……」とつぶやきました。
なんとなくお兄さんを見ますと、どうやらルービックキューブに苦戦しておられる様子。きちんとしたワイシャツ姿でたこ焼き&チューハイといういささかミスマッチなお兄さん、酔っているせいなのかなんなのか、ルービックキューブがまったく揃わずに苦戦しているようです。
で、僕の視線に気付いた兄さん、愛嬌のある笑顔で「デキマースカ? ムズカシイネ、コレ」と話しかけてきたのです。
正直、僕も今までの人生でルービックキューブにきちんと取り組んだことはないのですが、確か子供の頃、一面だけ揃えられたような気がします。
というわけで、「どれどれ」と見知らぬ白人さんからキューブを受け取り、できあがったたこ焼きを放置してチャレンジ。
で、幸いにも手がやり方を覚えていたようで、1、2分ほど取り組んでいたら赤い面だけ揃えられました。
まあ、一応の成果?は出せたので、「お待たせしました」とキューブをお兄さんに返すと「オォー! デキタ、スゴイネー。デキタヨー」と、1面だけしかできなかったのが申し訳なくなるような喜びよう。ほんと1面しかできなくてすみません。
でもまあ、とりあえず役目は果たせた僕はたこ焼きを受け取って白人兄さんに「では」と挨拶すると、兄さんは「デキタネー」とまだ言いながら親指を立ててサムズアップ。
なので僕もサムズアップを返し、「じゃあね〜」「サヨナラー」と、互いに名も名乗らずに二人の戦士は別れたのでした。
言葉はイマイチ通じなくても、協力できることはある。短い時間に築かれた友情よ、世界に届け。全人類が平和でありますように。そんなふうに思えるひとときでありました。
まあ、やったことと言えばルービックキューブ一面揃えただけなんですが(笑)。