ちょっと前の話なのですが、とある中華屋さんに入ったのですよ。昼ごはんを食べに。
で、前にもどこかに書いたかもしれませんが、僕は行列とか混雑が苦手なので寂れている店を選びました。
そこは店長とバイトらしき若者の二人でやっているお店で、客は僕一人。
僕が黙ってラーメンを食べていますと、店長がなにやら話しはじめました。
店長がバイト君に言うには「あ、水道代払ってないなあ。10月17日が支払期限だっけ? でもいいよな、今日は16日だもんな。明日払えばな」。
ここでなんとなく違和感を感じたので腕時計で日付を見たところ、10月17日でした。
店長! 水止まっちゃうよ! ラーメン作れないよ!
できれば僕はそう言いたかったのですが、そんなん指摘されるのも嫌でしょうし、まあ一日くらい遅れても水は止まらんだろうと思って黙って帰ってきました。
でも、ああいう間の抜けた会話や運営を間近に味わえるのが寂れた店のいいところですね。
これからも売れてない店を中心にウォッチしていこう、と、そう思えた中華屋でありました。
分けてもらえば良いのです。
昭和30年代の東京では小さな密集飲み屋に
水道がなくて近くのガソリンスタンドから
水を運んでいたと清水一行の小説に
ありました。できればポリタンクと自動車
ではなく水がめとリヤカーが望ましいですね。
始皇帝も食べられなかった(引っ張って
細くできる麺が発明されてなかった)ラーメンを
食べられる我々は中国大陸を統一したも
同然です。