僕が毎月買っている漫画雑誌「コミックビーム」。創刊号から買っているお気に入りの本です。
正直、はじめのうちはいまひとつな雑誌だったのに、よく成長したなあ・・・と感慨深いものがありますが、ビーム本体のお話は別の機会に回すとしまして。
現在発売中の5月号にて、4年半に渡って連載していた「エマ」が終了しました。これまた感慨深い。
エマは、1890年代の英国を舞台にした恋愛物語。厳然たる身分制度が横たわる時代を舞台に、とある夫人の屋敷で働くメイドのエマと、豪商の息子ウイリアムが惹かれあっていく様子が描かれます。
知性的で物静かなエマがいい感じです。
今どきメイドなんて言われるとメイド喫茶が思い浮かんでしまいますが、そういう「萌え〜」な漫画ではないのでご安心を。もしくはガッカリしてください。
一応解説しますと、当時のイギリスにおいて豪商とメイドと言ったら違う生き物、結婚なんてとんでもない! っつう時代だったわけです。というか、実際には今でもそのイメージが強いので、海外暮らしでメイドにお手つきしちゃうような日本人は軽蔑されるらしいですけど。
ともかく。そんな時代に生きるまじめな2人のお話です。
身分違いとか申しましても、今どきの短気な漫画だと
「好きなんだから関係ないぜヒャッハー! 俺たちを認めない奴は絶対悪だぜ殴るぜー!」
「おお、まったくその通りだラブ&ピース! 父さんと母さんが悪かったよおめでとう!」
て感じの我慢を知らない展開になりそうなものですが、エマの世界では、身分制度や周囲との関係が重い障害として立ちふさがります。
時代を19世紀にしたのもよかったのでしょうね。
先に惹かれたのはウイリアム。身分も上の彼は控えめながらも懸命にエマに近づきますが、立場の違いをわきまえねばと考えるエマの気持ちと周囲の妨害により、なかなか進展しません。
最近めずらしいですね、このジリジリ感。流行のN○naなんかをナナメ読みしたら、手近な者と性交渉しまくる漫画だったので驚いたのですが。個人的には、子供たちはナ○ではなくエマを読んでほしい。
まあ、なんだかんだは単行本をご覧いただくしかないですが、そんな物語も一応完結。
完全に諸手をあげてのハッピーエンドではないところがまた素敵な最終回でした。
現実には、こんなゆっくりとした恋愛は成就しにくいものなあ。周囲が短気すぎるんですよ。
ちょっとずつ、ちょっとずつ相手がどういう人か知ろう、伝えようとしている横から出てきて、一回の合コンでお持ち帰りってなんじゃそらあぁ!(手刀で瓦を割りながら)
双方とも順を追えよ! 畜生そんな軽い人だったのかよ!(牛乳を浴びるように飲む)
・・・おや、漫画の話をしているうちに熱くなってしまいました。想像力が強すぎました。想像。あくまで想像が。
ともあれ、ゆったりした時間と上品さ、そして厳しさが同居する「エマ」。おすすめです。
それから、さきほど一応完結と書いたのは、コミックビーム9月号よりサブキャラクターに焦点を当てた外伝が始まるそうだからです。楽しみですね。
では、強引にとりつくろいながら終わります。
そうなのですかー。僕も少女漫画はカバーしていないのであれですが、最近の少女漫画は激しい印象。PTAみたいなことは言いたくないですが、子供向が読む作品はほどほどに、と思ってしまいます(笑)。
これを見て、実際に作品を読んでみようと思っていただけたのなら嬉しいです。
機会があったらお試しくださいませ。
ブログにコメント頂いたので来てみたら、スズキさん、ビームをずっと買ってらっしゃるんですね。
俺も創刊号からずっと買ってます。最近は昔ほど危なっかしくない(「エマ」もヒットしましたし)ので、俺が買って支えなくても逆に平気かなあ、などと勝手なことを思ってます。
鮪オーケストラとかが好きだったもので。はい。
おお、創刊号からのお仲間w
「そんな〜目〜で見〜るな〜。マンガとゲームのドッキングー」というCMソングが意味不明でした。ゲームを排除したあたりから面白くなりましたね(ゲームも好きなんですけど、ドッキングは不要でした)。
鮪オーケストラはいいですね。バイオレンスと、雑な絵でありながらエロスがあります。
くるぶし流古武術の人はどこへ行ったのでしょうか。
>俺が買って支えなくても逆に平気かなあ、などと勝手なことを思ってます。
まったく同意です。手のかかる子のほうがかわいいですね。