岩手県大槌町の町長がご遺体で発見されてしまいました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110320-OYT1T00288.htm
僕は岩手の出身ではありませんし、あまり現地に知人もおりません。
ですが10年ほど前、この大槌町に行ったことがあります。
何をしに行ったというわけでもないのです。
友人と3人で寝袋ひとつを持って遠野を目指してぶらぶらした時、この町の公園で一晩寝ました。
ちょうどその日、大槌町の体育館でみちのくプロレスがやっていたので、旅のついでに寄ったのです。
こう言っては失礼かもしれませんが、プロレス観戦の用がなければ大槌町に寄ることも、知ることもなかったでしょう。
現在はどうかわかりませんが、当時、大槌町が観光を呼びかけているという情報は僕たちには入っておりませんでしたし。ただの静かな町でした。
それだけに、寝袋を持ってわざわざやって来た僕たちが珍しかったのでしょう。
みちのくプロレスの試合会場となる大槌町体育館を管理していた職員の方は「よく来たねえ」と歓迎し、缶コーヒーとホタルイカの煮物を持ってきてくれました。
町の体育館だというのにホタルイカの煮物が用意してあるというのが独特で、温かみのある歓迎に感謝したのを覚えています。
また、公園に寝ている僕たちを見た地元のお婆さんは、「金銭的に苦労して公園に寝ている若者」と思ったらしく、「大丈夫? 必要なものはない?」と何度も声をかけてくれました。
本当に温かい町でした。
町長のご冥福をお祈りするとともに、一刻も早い復興と、そして何よりあの温かい人たちがまた元気な笑顔を見せてくださることを願っております。
何にもない町ですが寄っていただけてうれしかったです。今はもっと何にもなくなっちゃったけど、いつかまた来てください。
大変な中、コメントありがとうございます!
たった一泊しただけの僕が何を言っても軽い言葉になってしまいますが、復興を期待しております。
今回の日記にも書きましたとおり、僕が大槌町に感じた魅力は、大槌町の「人」に対するものです。
ですから、生き残ってくださった人々がいる限り、僕が大槌町に対して感じる魅力が褪せることはありません。
いつにとは申せませんが、必ずまたうかがいたく思います。