2005年03月11日

ワンピース

こんにちは。先日、旧ブログにあげた文を、こちらにもアップします。
更新のネタ代わりに・・・長文ですみません。


漫画のハナシ
第五回 「ワンピース」
僕だってメジャーな漫画は読んでおります、というわけで、超有名漫画「ワンピース」を。

このページに来てくださるホームレスフリークの皆さんは、

「なんでえ、ワンピースってなあ。服飾業界の漫画か?
「あ、兄貴、違うよ。海賊の漫画だよ。子供に大人気なんだ」
「おめえ、海賊ってったら男は奴隷にして女はアレして・・・そんなの漫画にしていいのか?」

なんていう人が9割を占めると思いますが(失礼極まりない)、さにあらず。
週刊少年ジャンプの稼ぎ頭である冒険漫画です。

主人公たちは、ファンタジーな世界で「海賊王」を目指す若き海賊ですが、もちろん人をさらったり港を襲ったりはしません。

かつて処刑された「海賊王ロジャー」が隠した「ひとつなぎの財宝(ワンピース)」を手に入れ、海賊王になるのが主人公「ルフィ」の夢なのです。この漫画における「海賊」とは、海を舞台にした冒険者のことも指すようです。
もちろん、敵海賊には悪い奴もいますが。

そしてルフィの船には、最強を目指す剣士「ゾロ」、海の幸を探し求める料理人「サンジ」など、それぞれの夢や目標を持ったキャラクターが集います。
夢に対する彼らの想いと行動はどれも潔く、小気味よいものばかりです。

個人的に一番盛り上がったのは単行本の9〜11巻。ヒロイン「ナミ」の悲しい過去が明かされてゆき、クライマックスにはナミを苦しめるアーロン海賊団との一騎打ちバトル!

ここで活躍するのは主人公ルフィを含めた4人。ゾロの三刀流(3本目の刀は口にくわえます)、サンジの蹴り技、そして臆病ながらも知恵と勇気を振り絞って戦うウソップ。この後も魅力的な仲間は増えていきますが、対アーロン戦において初期メンバーの魅力が余すところなく発揮されます。

まずは1巻からここまで読めば、ワンピースにしっかりハマることができるのではないでしょうか。


◆ジャンプ展開の進化系・・・!?
また、見逃せないのが「強さ」のバランス感覚。
単行本も30巻を越えているのに、それまでの流れが破綻するほどのインフレは起こしていないのです。

ワンピースも含め、多くの漫画に影響を与えた「ドラゴンボール」は、ここまで続いた頃にはインフレに次ぐインフレ。以前は強敵だったライバルが、新たな敵にはデコピン一発で倒されてしまうといったことを繰り返していました。

もう同じことの繰り返し、と誰もがわかっているのに、ギリギリまで延命し書き続けさせる・・・。これは作者だけでなく、掲載誌や玩具メーカーの事情があってのことだったのでしょう。
無理もありません。ドラゴンボールはそれ単体で「ドラゴンボールビジネス」と言ってもいいほどの市場を作り上げていたのですから。

もちろん、その功績は金銭面だけにとどまらず、鳥山明の描く世界やキャラクターは、いまだに多くの漫画家に影響を与え続けています。
ですが、鳥山明自身は続く長編新作を発表してはいません。彼が「描きたい」と言えば、ジャンプに限らずどの雑誌でも三顧の礼で迎えることは確実にも関わらずです。

充分な財産を得たから働いていないというだけなのか。
それとも雑誌社やスポンサーの延命措置により、作家としての「何か」を奪われたのか・・・。
出世作「Dr.スランプ」の単行本で漫画への取り組みを語っていた「漫画好き青年・鳥山明」を思い出すと複雑な思いにかられます。せめて前者であってほしいところです。

少し脱線しました。上記のような「強さインフレ」を(今のところ)起こしていないことがワンピースの意欲的なところなのです。もちろん、無意識にやっているわけではないでしょう。「ものすごく強い敵を出して話を盛り上げる」という展開は、最も簡単で効果的な方法のひとつなのですから。
強さインフレ地獄を危惧し、意図的に避けているものと思われます。

これは作者の尾田栄一郎(と、ジャンプ編集氏)が、先輩の例から生み出し答えではないでしょうか。

世界観を崩すほどの強敵は、登場時には強烈な印象を残しますが、効果があるのは1度か2度。幾度も繰り返すと世界観自体が薄いものに感じられます。「世界観なんて崩れるのが当たり前」ということになり、「敵がスゴイ」のではなく、「世界がもろい・薄っぺらい」ものだと感じられてしまうのです。

それを避ける一環として、ワンピースでは世界の頂点にいる「目標」となる者達も、あらかじめ提示されています。
ルフィの恩人でもある気さくな海賊「赤髪のシャンクス」、伝説の大海賊「白髭」、政府公認の凄腕海賊「七武海」等々・・・。
世界はまだまだ広く、猛者は大勢いるのです。

これからも強敵たちは登場するはずですが、尾田栄一郎の感覚であればきっと「1度か2度」しか使ってはいけない奥の手の使いどころは心得ているでしょう。

ただ、ワンピースも今や「ポストドラゴンボール」として玩具メーカーの売り上げを背負っています。連載終了の匂いを感じれば、

「今までの10倍強い集団が海の底から!」
「いやいや、100倍強い海賊が宇宙から!!」
「あと100年、連載を続けましょう!!!」

というような突拍子もない要望が降ってくることは必定です。

しかし、漫画家は、人は使い捨ての道具ではありません。
尾田栄一郎も、まだまだ他に描きたい作品があるはず。そこは耐えて戦って、作者が希望したタイミングでラストを迎えてほしいものです。

巨大ビジネスの対象となったジャンプ作品が、世界観を崩壊させずに最終回を迎えられるのか!? という点にも注目の一作です。


追伸:
場外乱闘ばかり書いてしまいましたが、本当に楽しく読める作品です。
まずは1〜3巻くらいまで読まれてみては。
海を舞台とした場面が多く、のびのびとした世界が味わえますよ。

ちなみに、僕は10巻でゾロが使った「刀狼流し(とうろうながし)」という技が好きです。パワーが売りかと思われたキャラクターが見せる流麗な技。かっこいい。

※鳥山明さんがやる気をなくしているかどうかは、僕の想像です。
これが誤った妄想で、バリバリと新作を書いていただけることを期待しております。
posted by スズキ at 09:05| Comment(0) | TrackBack(1) | おすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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