山名沢湖(やまなさわこ)先生の「委員長お手をどうぞ」を読みました。
委員長を主役にしたオムニバス漫画です。
委員長と言ってもクラス代表ばかりではなく、保険委員長、体育委員長、風紀委員長などありまして。毎回、それぞれの仕事ぶりや恋心(未満の掛け合い)にスポットを当ててお話が進みます。
お人よしの体育委員長や高飛車な美化委員長などいろんなキャラクターが登場しますが、共通しているのは小気味いいやり取りと元気いっぱいの態度。
特に、男子と女子の屈託のない会話は、「ありえない」と思いつつも爽やかな気持ちを味わえます。
そんな雰囲気を代表するのが、第1話に登場するしっかり者の脇役、森部さんの台詞。
「おしゃべりするなら、どっか迷惑じゃないとこでして下さい
あっ、でも委員長自ら男女仲良くしすぎて、風紀乱したりしないでねッ」
なんですとー!
こんな優等生トークが21世紀に聞けるとは。ありがたやありがたや(拝み)。
天国のおばあちゃん! 日本はまだ大丈夫です!
だってねえ。山名さんの可愛い絵柄のせいで勘違いしがちですが、彼らは高校生なのですよ。
いまどきの高校生なら、こっここ、婚前交渉だって当たり前のイベントなのでは?(メディアに毒された知識)
ええおい。どうなんだ小僧! ウチの娘に手を出したいのならかかってこいやー! 刀折れ矢尽きようとも、貴様の首だけはあげてくれるわ!(※僕は未婚です)
興奮しすぎました。
まあそんなわけで、「こんな学校生活があったらいいなあ」と暖かい気持ちで読める良作です。
とはいえ、完全なファンタジーとも言い切れませんけどね。テレビや雑誌は若者の乱れを強調しますが、全員がそんな子たちじゃござんせん。
たまに中高生と触れ合うことがあると、「なんだ、普通じゃないか」と思うことはたくさんありますからね。
考えてみればそう遠くない昔、僕だって学生だったわけで。あの頃の生活様式が完全に絶滅したとは思えませんよ。
若人よ、あせるな。大人になればできることを、今やる必要があるか?
えっ、どうしてもやりたいの? 仕方ないなあ。せめて隠れながらやりなよ。それが醍醐味なんだから。あと、法には触れないようにね。
そんなわけで。大人には甘酸っぱい懐かしさを、現役の中高生には爽やかさのお手本を届ける良作でございます。
それに、大人にとってもお手本として応用がきくかも。学校じゃなくたって、会社で、家庭で彼らのように元気に役目に取り組んだら、周囲の反応だって変わるはず。
先生がいなくたって、投票で選ばれなくたって、自分で自分を「○○委員」と任じて頑張ってみてはいかがでしょうか。誰かが「委員長、お手をどうぞ」とエスコートしてくれるかもしれませんよ。
えーと、とりあえず僕は東陽片岡推進委員で。
誰もエスコートしてくれなさそうな委員ですが。
※おまけ 森部さん画像
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