人に勧めたくなる作品です。
有名な作品なので、探しやすいのではないでしょうか。
お近くの書店で見かけたら、手にとっていただきたいと思います。
舞台は被爆から10年後の広島と、2004年の東京です。
まったく予備知識もなく読んだのですが、単に戦争の悲しさを描いただけではなく、とても魅力的な世界を持った作品でした。
原爆をテーマにした作品、というと道徳の教科書のようなストーリーを思い浮かべがちですが、さにあらず。
登場人物はみんな元気で、軽口も言えば恋する当たり前の人たちでした。
男性キャラクターも女性キャラクターも全員かわいらしく、こまやかに描かれた背景の美しさが光ります。
桜吹雪のイメージとともに、過去から未来へつながる回想シーンも感動。
・・・戦後から現代まで続く悲しを越え、亡き母へのメッセージを空に放つ主人公・七波(ななみ)。
「見てるんでしょう 母さん」
若かりし日の父母。被爆者差別の克服と、母へのプロポーズ。
生まれていなかったのに、見たことがある風景。
「そして確かに このふたりを選んで 生まれてこようと 決めたのだ」
個人的に、小道具として桜を使われると涙腺ドン3倍! となってしまうので、もう、くぅ・・・誰かちり紙とって。
とにかくお読みください。このスペースでは説明しきれませんし、何より絵と合わせて読んでいただきたいので。ぜひぜひ(今さら僕が勧めるまでもない話題作ですけどね)。
ちなみに。
主人公の弟、旭くんの疎開先として水戸が出てくるあたりも、茨城出身の僕としては共感できました。
茨城からやってきた旭くんの言葉を聞いた少女が「東京の言葉だー」とひとくくりにしてしまうあたりも、リアルですね。
実は僕自身、初めて広島に行ったとき、地元の方から「東京の言葉だね」と言われたのです。
(東京の方々からすれば、「茨城が!?」と苦笑されるでしょうけど・・・)
ひとコマだけ、茨城育ちの旭さんが「解いてみりゃわかっぺ」と茨城弁を出しているのもこまやか。
広島好きの茨城人としても、大満足の一作でございます。
さて。この作品が大好きになってしまったがゆえに、一点だけ余計なことを。
ここからちょいとトーンが違います。
本のオビにでかでかと、朝日新聞が絶賛、と書いてあるが、これはいただけない。
朝日はいつもどおり原爆や差別という単語に反射で飛びついたのであろうが、「夕凪の街 桜の国」は、暗くなりがちなテーマを魅力的なキャラクターがさわやかに演じる良作である。
朝日新聞ごとき、危険なビラが堂々と語れる作品ではない。
4ページ目に記載されたメッセージをここに記す。
「広島のある 日本のある この世界を愛するすべての人へ」
登場人物や作者が語っているのは平和であり、そこには当然ながら日本人の幸せも含まれているのである。
短絡的にピカや米国だけを糾弾しているわけではない。
相変わらず何も考えず他者を責めているつもりなのだろうが、自分たちこそが恥じ入る側だと自覚できているのか。
朝日新聞が意図的に報じない中国の核問題も、一緒になって推し進めている韓国の軍事侵略も、等しく平和の敵なのだ。
中国や朝鮮の核でも、等しく人は死ぬ。
危険思想は、自分たちが発行するビラだけに留めておけ。
名作をダシにするな。
漫画に近づくな。
まあ、こんなことを申してみましたよ。
それでは、またん。

