さて皆さま、いきなりですが、当ページが応援したりけなしたりしている東陽片岡とは、いかなる性格で、いかなる生活を送っている人物なのでしょうか。ここらへん、あまり詳しく紹介されることはありませんね。
現代はインターネットでなんでも調べられる世の中だというのに、検索してもあまり載っていません。
で、先日、うちの愚弟と話しておりましたときに「ネット上に東陽片岡の情報が少なくてさ、まいっちゃうよハハハ」と話したところ、「それは、仮にも公式ホームページを運営している兄貴自身の仕事だろうな」と指摘され、ああそうか、と当たり前の事実に愚兄は膝を打ったのでした。
というわけで、東陽片岡という人物について理解を深め、その結果を世に報告すべく、お東陽先生に関わり深い人々を訪ねる旅に出たのであります。
なんたらかんたら言いましたが、つまりはダーティ工藤監督やお東陽先生に続くひさびさのインタビュー企画です。
今回お話をうかがったのは、青林工藝舎の手塚社長。お東陽先生がデビュー間もない頃からのお付き合いで、遅れに遅れる原稿、破られる締め切りと長年戦い続けてきた方であります。
遅咲きの漫画家、東陽片岡はデビュー以来、どのような仕事ぶりを見せてきたのでしょうか。ではさっそく、お話をうかがってみましょう。
本日青林工藝舎さんに行ってきたばかり、聞きたてほやほやのお話でございますですよ。
◆ふたりのなれそめの章
スズキ(以下ス)「本日はお時間をいただきありがとうございます。ただの趣味のインタビュー企画なのに恐縮です」
手塚社長(以下手)「いえいえ。いつもイベントお疲れさまです」
ス「手塚さんこそ、毎度のようにお越しいただきましてありとうございます。
さて、さっそくなのですが、手塚さんとお東陽先生とのお付き合い何年ほどになられるのでしょうか」
手「えーと、東陽さんのデビューのときに初めてお会いしました。長井勝一賞をきっかけにデビューしたのは、東陽さんが36歳くらいのときだったと思います。最初は別の編集者が担当だったんですが、その人がすぐ職場を離れることになったので、私が引き継いで担当しました」
ス「では、お東陽先生はデビュー以来ほとんど手塚さんと仕事をしてきたわけですねえ。
でも、12年ほどのお付き合いというのは、意外と短く感じてしまいますね。僕なんかは、東陽片岡と手塚社長というと、ものすごく長いコンビのように感じてしまいます。20年以上とか」
手「しょっちゅう一緒に飲みに行ったりしているので、公私にわたる付き合いの濃さがそう感じさせるのかもしれませんね。うちが引っ越す前は東陽さんの部屋と青林工藝舎の事務所が同じビルにあったので、ステテコのまま訪ねてきたりしてましたしね(笑)」
ス「素晴らしい。ホテルの廊下は外と同じ、なんて常識とかは通用しない世界ですな。
ところで、お東陽先生の名前を知られたのはデビューの際にですか?」
手「いえ、お会いしたことはなかったものの、東陽さんが出していた同人誌『おゆき』はすでに一部で話題になっていました。すごい絵を描く人がいるらしい、と言われていましたね」
ス「おお、さすがお東陽先生。そして、デビューをきっかけに出会った噂の男には、どのような印象を受けられましたか」
手「うーん。いい人、という感じでしょうかね。しゃべる内容は下ネタが多かったりするけど、常識的なところも持っていて。人を傷つけるようなことは言いませんよね」
ス「あ、それはおっしゃるとおりで。トークイベントなどには、僕の知人で、東陽片岡を知らない人も来てくれたのですが、作品を読んだことがないけど、東陽片岡本人のファンになったという人もいました」
手「あの人をわざわざ嫌いになる理由がないですよね。相手を楽しませようという気持ちが、会話からも作品からもにじみ出ていますから。
まあ、一緒に飲むと風俗の話とか、ウンコを漏らしちゃった体験談とかばかりなので、そこに眉をひそめる人はいるかもしれませんけど(笑)」
ス「なんというか、生命の根源とか、そんな感じの話題ばかりですな」
青林工藝舎にて、手塚さん近影。クリックでちょっとだけ大きくなります。後ろにあるのはお東陽先生をはじめ根元敬さん、蛭子さんらによる寄せ書き。スゴイ。
◆漫画のウンコも出さなきゃ溜まるの章
手「ウンコは、東陽さんの作品にとっては不可欠らしいですね。東陽片岡作品ではタイトルの周囲にウンコがたくさん書いてあったりするのですが、メジャーな某社で連載してたときは、作品でのウンコの乱発を禁止されていたみたいなんですよ。
そのせいか、当時、うち(アックス)の原稿にはウンコがやたらたくさん書かれていて・・・『ウンコ書かせてもらえなくて、ずいぶん溜まってたんだねえ』と言ったら、エヘヘと笑ってましたけどね」
ス「お東陽先生にとって漫画のウンコは、本当のウンコのように溜まっていくものなんですなあ」
手「自分でも止めようがない情熱があるみたいですね。
畳の目にもこだわりが強いみたいです。昔、締め切りが遅れてどうしようもないというのにひたすら畳の目を書いていたので、『そこはほどほどにして、他の部分を先に描けないですか?』って聞いたことがあるのですが、そこは頑として譲らず、ひたすら畳の目を描いていました」
ス「・・・締め切りを守る、というこだわりも生まれるといいですね。でも、そう言えば確かに、お東陽先生は以前、『絵を描くとき、紙に余白があると落ち着かない』とおっしゃっていました。仕事への真面目さという部分もあるのでしょうけど、描き込まないと自身が気持ち悪い、という情念もあるようですね」
手「そうですね。アックスの連載陣の中にも、余白恐怖症の人は何人かいますよ。漫画家さんの中では、わりとよく見られる症状・・・と言うと失礼ですけど、よく見られる癖みたいです」
ス「余白は怖い、でも締め切りは怖くない。それが東陽片岡の仕事への姿勢でしょうかね」
・・・と、途中ですが、今回はここまででご勘弁をば。
次回は、お東陽先生の行動的な側面や、最新刊についてのお話などをお知らせいたします。
東陽片岡のこだわりや趣味は、仕事にどのように生かされているのか? 仕事の面でのパートナーと言える手塚さんのお話を、一緒に聞いてゆくといたしましょう。
それでは、また近いうちに。失礼いたしますー。
こんなインタビュー記事、普通の雑誌じゃありえない。でも、あったら絶対買ってるね。それがタダだってんだから偉いとしか言い様がない。
ありがとうございます!
“あの人をわざわざ嫌いになる理由がないですよね”という手塚さんのコメントに痺れました。
イベントでは、お東陽先生のお声にも毎度痺れてますよ〜
ありがとうございますー。お金にならないことばかりやっております。
まあ、大の大人がウンコウンコ言っているインタビューですからねw
手塚さんのお話というのは、一部の人にとってはタマランものではないかと、僕もちょっと思っておりますです。これからも、お東陽先生を知る人々のインタビューを続けていこうと考えております。
>サイトウミチコさん
お東陽先生を支える手塚さんと、そういった協力者を惹きつけるお東陽先生の魅力が感じられる時間でございました。
まあ、飛び出す単語はウンコとかゴキブリとかなんですがw 飾らないお人柄と申しましょうか。