「有名なんだけど、理由もなく今まで読んでなかった漫画」てえのがありまして。先日、そういった2作品を購入してきました。
1冊は望月峯太郎「座敷女」、もう1冊はあずまきよひこ「よつばと!」です。
方やストーカー女に追い詰められる恐怖を描いた作品、方や元気いっぱいの幼児「よつば」とご近所さんたちの生活を描いたほのぼのストーリー。
180度違う2作品ですが、とりあえず今日は、座敷女のほうの紹介をば。
主人公「ヒロシ」は、コンビニでバイトしつつ、常連客の女子高生に思いを寄せる、ごく普通の大学生。しかし、隣室の呼び鈴を鳴らし続ける奇妙な女が現れて以来、彼の生活は一変する・・・ってな話です。
ある夜のこと。
ヒロシが住むアパートの一室の前に立ち、毎晩「山本君・・・開けてよ」とドアを叩き続ける、背の高い女(座敷女)。
隣室に住むヒロシが見かねて彼女に声をかけたところ、次の夜からは「山本君、ここにはいませんか」「電話を貸してください」と、彼の部屋に尋ねてくるようになります。
そして翌日「電話を借りたとき、あなたの部屋にポーチを忘れた」と電話してくる座敷女。ヒロシの電話を使ったときに、ヒロシ自身がメモしておいた自室の電話番号を見ていたのです。
その後も勝手に合い鍵を作り、留守中に電話に出て交友関係を調べるなど、彼女の行動は日々エスカレートしていく・・・。
完全に標的をヒロシへと変えた座敷女は、「あなたの周囲の人間があなたを迷わせている。あいつらさえいなくなればうまくいく」という結論に達し、ヒロシの友人や、ヒロシが思いを寄せる女子高生に襲い掛かるのでした。
で、特に男性読者が恐怖を感じるのは、ヒロシの友人「佐竹」と座敷女のもみ合いではないでしょうか。
ある日、ヒロシの部屋に侵入しようとしている現場を佐竹に見られて、逃げる座敷女。
とっつかまえてやる! と追いすがる佐竹だったが、陸上でインターハイに出場した彼の健脚をもってしても、一向に差が縮まらない。
異様な脚力を見せる座敷女の姿が、なつかしの口避け女を彷彿とさせるシーンです。
さらに、追跡を諦めた佐竹に対して、今度は舞い戻ってきて襲いかかる座敷女。
空手もやっている(スーパーマンですな)佐竹は、傘やコンクリートブロック(!)を持って襲い掛かってくる座敷女を、見事な蹴り技で吹き飛ばします。
しかし、座敷女は常人とは思えないタフネスさで立ち上がり、何度も、泣きながら襲い掛かってきます。佐竹はその様に恐怖を覚え、とうとう先に逃げ出してしまうのでした・・・。
ここが怖いですー。すごく。
なんというか、男としては「女のストーカーが相手なら、最後は逃げるなり、押さえつけて警察に突き出すなりすればいいさ」みたいな体力を背景にした空威張りが存在するのです(あくまで空威張りなので、できるかどうかはわかりません)が、そういったものを全部跳ね除けてしまう座敷女の体力。というか、恐らくは精神力。
怖いよう。寝られないよう。
続けます。
ほうほうの体で戻ってきた佐竹でしたが、彼はヒロシに対して「あいつ・・・初対面じゃねえかも。偶然じゃなくて、お前を狙って来たんじゃねえのか」と言い出しま
す。
実はヒロシと佐竹は小学生からの同級生で、2人は当時、先頭に立ってある女生徒をいじめていたのです。
「『悪霊』ってあだ名をつけていじめてた、田尻早苗か!?」
「今になって罪の意識を感じるぜ・・・」
思い当たるフシが見つかったことにより、悩むヒロシ。
「次に田尻が目の前に現れたとき、俺はどうすればいい・・・?」
と、ここまで書きましたが、以降はネタバレです。
知りたくない方は、読まないでくださいねー。
もう12年も前に出版されたものなのでいいかな、とは思うのですが、一応先にお断りをしておきますね。
侵入してきた座敷女と、再びあいまみえるヒロシ。2人きりの部屋に、佐竹からの電話が入ります。
彼は、1人で田尻早苗の行方を追いかけ、そして、地元で暮らしている田尻を見つけたのです。
「その女は田尻じゃない!!」
座敷女は、復讐者ではありませんでした。
ただの、理不尽な、ストーカーだったのです。
ここも、ズーンときました。「いじめっ子への復讐」という、一応理屈の通った理由が崩壊し、座敷女が再び、「正体不明のモンスター」という地位を取り戻すシーンです。
終盤、真っ暗なヒロシの部屋の中で、刃物を手に襲い掛かってくる座敷女。
「お前がずっとここにいろ!」
座敷女を突き飛ばし、2階から飛び降りるヒロシ。
足を骨折しながらも見上げると、アパートに火を着け、炎をバックにヒロシを見下ろす
彼女の姿が・・・。
怪我の痛みからか気を失った彼が目を覚ますと、病院のベッドに上でした。
「女は!?」と看護士に聞いてみたところ、焼け落ちたアパートには幸い被害者はなく、病院に担ぎ込まれたのはヒロシだけだとの返答。
「あいつは死んでない・・・俺はあいつにとり憑かれている」
負傷を押して夜の病院から逃げ出そうとするヒロシの前に、やはり現れた座敷女。
その手には注射器が・・・。
ヒロシ、押さえつけられて・・・暗転。
ラスト、シーンは一気に日常の風景へ。
取りとめもない「人面犬」や「呪いのCD」の話と一緒に、座敷女の噂が語られています。
ヒロシとほのかな恋を育てていた女子高生は、何事もなかったかのように生活しています。
友人の佐竹は、座敷女について質問する学生に対し、もう思い出したくないといったふうに、苛立たしげに口を閉ざします。
ヒロシが消えても、みんなの生活は変わりません。
彼があんなに苦しんだ事件も、本当にあったかどうかわからない噂話へと姿を変えていきます。
「夜中に部屋を訪ねてドアを叩く音がして、ドアを開けると・・・そこに大きな女がいて・・・」
「たったそれだけなのに!!」
最後のコマは、「ピンポーン」というチャイムの音のみ。
座敷女は、また夜の街を徘徊するのでしょう。目的も謎のまま、ただ新たな標的を求めて。
・・・という作品でした。
うまくまとめられませんし、絵があってこそ迫力が伝わるので、書店や漫画喫茶で見かけられたら読んでみてください。
座敷女が非常にイイ顔をしていて、いちいち気持ち悪いです。
ただのあらすじだけで、こんなに長くなっちゃいました。
いい加減長いので、唐突に終わります。
ぐだぐだですみません。
とっぴんぱらりのぷう。
後から調べてみたら、ラジオドラマになっていて、さらにCD化されてるらしいです。
昆虫はフィリピンが主流ですか・・・・・昔、カブト虫を捕獲し、「山田」と名付け可愛がりましたが、山田にとってのわたくしは踏み台にしかならずに、出ていかれました。
山田ってw
山田はただ、ザクロさんの上を通り過ぎた男だったんですね、、、。
今頃、上京してロックスターになったりはしていませんでしょうか。
http://www12.ocn.ne.jp/~hukumaru/books/syousetu/007.html
リアルでもありそうな話だけに、身につまされますw
おお、お忙しいなか、魅力的なご本の紹介ありがとうございます。
出会い系をきっかけにしてストーカーされるお話しですかー。警戒心の薄いいまどきの兄ちゃんへ警鐘を鳴らす本になる・・・かな?
漫画とはまた違った描写が楽しめそうですなあ。